匠の技をAIで継承
~人のように学習するエイシングAI~

 様々な業界で機械の自動運転が求められているものの、人間の学習サイクルを機械が真似することができないため、自動運転が困難となっています。 エイシングでは自律的に学習できるAIを開発しており、様々な機械の自動運転を実現します。

■求められる機械の自動運転とその課題

 少子高齢化による技術者不足により、「職人」や「熟練者」のような動きをする機械が求められています。 単に人手不足を補うだけではなく、危険を伴う作業を機械で代替することにより労働者の安全を守るという狙いもあります。
 しかしながら、そのような機械の実現は容易ではありません。人間が無意識で行っている、行動結果のフィードバックを機械は自律的に行うことができないためです。
 人間は行動するとき以下のような手順を踏みます。まず、その行動が結果につながるかを予想します。 その結果が好ましいものであるとき、行動を実行に移します。そして、どのような結果になったのかを確認します。 結果が予想通りであればよいのですが、もしも予想と違う結果になった場合は、「どのような状況で、どのような行動を取ったら、どのような結果になったのか」を記憶します。 

 具体例として、自動車を運転中に赤信号で停車する際の行動について考えてみます。 道路を走行中、次の信号が赤信号の時、ドライバーは適切な位置で止まるためにはいつブレーキを踏めばいいのかを考えます。 ブレーキを踏むという行動の結果、予想よりも手前で止まってしまった場合、次は今回よりも遅めにブレーキを踏むべきだということが分かります。 このように、人間は行動結果のフィードバックを行い、適切な行動ができるようになっていきます。
 一方、機械はこのような行動結果のフィードバックを行うことができません。 自動運転中の車が赤信号で止まるとき、 AIモデルが現在の速度や車両重量などからブレークのタイミングを推論します。 動作後、ブレーキのタイミングが早かったとわかっても、次回のブレーキのタイミングを変更することはできません。 一般的なAIは、動作中の学習ができないためです。無理やり学習させるアルゴリズムもありますが、 意図しない場面でブレーキの判断をするようになるなど、AIの挙動がおかしくなる危険があります。 また、有名なAIアルゴリズムであるディープラーニングには、動作中に学習を行うと「破滅的忘却」と呼ばれる現象が起こり、過去に学習したものを忘れてしまう技術課題があります。 「どのタイミングでブレーキを踏むとどの程度先で停止するか」という経験をAIに反映するためには、AIエンジニアによるチューニングが必要となります。

■エイシングのAI「MST」により、自律的に学習する機械を実現

 エイシングの独自エッジAIアルゴリズムである「MST(Memory Saving Tree)」は、動作中に学習し、成長することが可能です。 他のAIと異なり、AIの予測がおかしくなったり、破滅的忘却が起こったりすることもありません。似た状況のときだけ推論結果を変えることが可能で、 影響範囲を必要最低限に抑えることができます。行動し、その結果を取得、学習するというサイクルを繰り返すことで、匠のように状況に応じた判断や動作ができるようになります。
 さらに、作成されたAIモデルをコピーして様々な機械に搭載することにより、「匠を増やす」ことも可能です。

■適応先は多岐にわたる

 機械が自律的に学習することにより、従来は人間が操作していた様々な機械の自動運転が可能となります。

記事発行日: 2021年12月3日 最終更新日: 2021年12月3日