ニュース

当社のプレスリリースや展示会・登壇等のイベント情報、
メディア掲載情報などをお届けします。

  • ホーム  >  News  >  シールドマシン自動運転化に向けたAI技術を大成建設と共同開発~自動運転の実証実験に成功。AIで担い手不足への対応可能性を確認~

2026年08月27日

シールドマシン自動運転化に向けたAI技術を大成建設と共同開発~自動運転の実証実験に成功。AIで担い手不足への対応可能性を確認~

 機械制御向けAIアルゴリズムを提供している株式会社エイシング(東京都港区 代表取締役 CEO 出澤 純一)は、大成建設株式会社(東京都新宿区 社長 相川善郎、以下大成建設)と共同で、シールドマシンの自動運転化を目指した方向制御AI技術を開発しました。
本技術は、泥土圧シールド工事において、高精度な掘進制御が可能であることを実証しています。

大成建設との取り組みについて

 シールドマシンの操縦は、地盤条件の変化に応じて微細な操作が求められる、極めて高度な操作判断を要する作業です。施工精度は熟練オペレータの経験に大きく依存し、経験の浅い作業者では操作のわずかなズレが線形逸脱やセグメント破損といった重大トラブルにつながるおそれがありました。加えて技能継承の難しさも顕在化しています。
こうした背景のもと、大成建設と当社は、熟練者が行う力点位置(推進ジャッキにかける力の分布)調整などの判断プロセスをAIに学習させ、掘進方向を自動制御する方向制御AIモデルを共同開発しました。AIが最適な出力配分を導き出す仕組みを導入することで、方向制御の高度化を図るとともに、技術の平準化を通じて将来的な担い手不足への対応にも資することが期待されます。

大成建設株式会社 土木本部 土木技術部 都市土木・鉄道技術室 室長 谷口敦氏
「シールド工事の省人化と安全性・品質のさらなる向上に向けて、AI技術の活用は重要な鍵になると考えています。貴社の高度なAI技術と当社が培ってきた施工ノウハウを融合し、シールド工事における自動運転技術の実用化とさらなる高度化につながることを期待しています。」

実証実験結果(鹿児島3号東西道路シールドトンネル(下り線)新設工事)

 大成建設と当社にて共同開発した方向制御AIによるシールド機自動運転技術を、鹿児島3号東西道路シールドトンネル(下り線)新設工事に現場実装し、方向制御の有効性を検証しました。
AIは掘進中の機械挙動を解析し、最適な力点位置(油圧ジャッキ出力配分)を即時に決定。各リング掘進後に精度を評価し、再学習を行う仕組みを構築しています。
本実証実験では直径11mの泥土圧シールドによる自動運転において、到達点のずれが3mm以内という極めて高い精度を達成しました。

【概要】
対象工事:鹿児島3号東西道路シールドトンネル(下り線)新設工事(泥土圧シールド φ11.34m)
実証条件:右700mR曲線区間、上り勾配1.47%
実装技術:方向制御AI(最適モデルの自動選定+逐次学習)
検証結果:水平・垂直ともに目標座標に対する到達誤差を評価し、高精度で掘進可能であることを確認

エイシングの提供技術

 当社の独自機械制御向けAIアルゴリズム「AiirMST®」は、当社が保有する複数の特許技術を基盤として開発され、独自技術により生み出された、機器の制御改善を目的とする機械学習アルゴリズムです。
現場で取得したデータをその場で継続的に学習し、環境変化や機器の個体差、経年劣化に追従しながら、クラウド通信を必要とせず学習内容を保持したままモデル更新が可能な点を特長としています。

シールドマシンにおいては、地盤の性質やシールドマシンの挙動に変化が生じた場合でも、逐次取得されるデータをもとにモデルを更新することで、現場条件への適合度を高めていきます。
このように、実際の掘進データを継続的に追加学習することで、状況に応じた制御判断を行うことが可能となり、安定した掘進運転を実現します。

本自動運転制御では過去データが限られており、AIに学習させるには網羅性が不十分という課題がありました(図1)。そこで、多数のシールドマシンに見られる特性の違いを踏まえデータを拡張し(図2)、多様な仮想モデルを作成しました。運用時には実際の現場条件に最も近いモデルを自動で選定し、制御に反映できるようにします(図3)。これにより、実績データだけでは想定しきれない未知の施工条件に対しても対応可能な汎用性を確保しました。