2020年07月07日
ランダムフォレストの自動追加学習を実現したエッジAIアルゴリズム「SARF(サーフ)」を開発いたしました
Press Release
エイシング、ランダムフォレストの自動追加学習を実現したエッジAIアルゴリズム「SARF(サーフ)」を開発
〜普遍的なアルゴリズムのオンライン化によりさらなるエッジAIの普及を推進〜
エッジAIスタートアップの株式会社エイシング(本社:東京都港区、代表取締役 CEO:出澤純一)は、多くの研究者や技術者、メーカーにおいて利用されているアルゴリズム「ランダムフォレスト」において、環境の変化に応じて学習データを自ら更新する「自動追加学習(オンライン学習)」を実現した新しいアルゴリズム「SARF(Self Adaptive Random Forest)」を開発いたしましたことをお知らせします。
この度の広く利用されているアルゴリズムのオンライン化により、これまでクラウド上で実行されることが一般的であったAIの情報処理をエッジ※1側で実行する「エッジAI」のさらなる普及を推進してまいります。
■注目されるエッジAI業界で進む「自動追加学習」のニーズ
AI業界において代表的なアルゴリズムである「ディープラーニング」は、予測精度も高く画像認識や音声認識などに適している一方で、事前に学習させたデータを元に予測を行っているため、その後の環境変化にすぐに対応できず、変化への対応には改めてモデルを再構築するための作業が必要となります。
そうしたなか、昨今注目されている「自動運転」や「工場の自動化(Factory Automation:FA)」といった分野において需要が高まっているのが、変化に適応して学習済みモデルを更新することで人力の調整作業が不要な上、即時性や高いセキュリティが求められる環境にも対応できる「自動追加学習(オンライン学習)」です。
■新アルゴリズム「SARF」の開発により、エッジAIのさらなる普及を推進
エッジAI業界で自動追加学習のニーズが高まるなか、当社では、社内のエッジAIアルゴリズム専門開発チーム「Algorithm Development Group(ADG)」において、自動追加学習を強みとした独自のアルゴリズム「AiiR(AI in Real-time)※2」シリーズを研究・開発しております。そしてこの度、「ADG」より、「AiiR」シリーズの新たなアルゴリズムとして、多くの研究者や技術者、メーカーの間で広く利用されているアルゴリズム「ランダムフォレスト」の自動追加学習を実現した「SARF」を開発しました。
「SARF」は、ランダムフォレストの特長である多量データ処理や高い精度に加え、ディープラーニングに比べパラメータチューニングが少ないといった優位性を引き継ぎながら、自動追加学習も可能にしたアルゴリズムです。産業用ロボットの経年劣化によるチューニングや、エアコンの気温変化による温度・湿度の調整などを人力で行う必要がなくなり、新型コロナウイルスの影響で推奨される人的リソースの削減、自動化の推進にも寄与します。また、パラメータチューニングが少ないことから初期学習モデル構築が迅速に行える上、その後の運用時の変化にも追従できるため、作業コストやモデルの再構築が必要かどうかといった判断コストを削減することができます。
この度のランダムフォレストのような広く普及するアルゴリズムの自動追加学習の実現により、「エッジAI」をより身近な生活に拡げるための取り組みを一層推進してまいります。
株式会社エイシング
長年にわたる機械制御とAIに関する研究成果を基に2016年12月設立。 2018年8月「大学発ベンチャー表彰2018~Award for Academic Startups~」における、経済産業大臣賞を受賞。2018年3月「起業家万博」にて総務大臣賞、 2017年2月株式会社日本総合研究所主催 「未来2017」最終選考会にて日本総研賞など、数多くのベンチャーアワードを受賞。
代表取締役CEO:出澤 純一
所在地:東京都港区赤坂6丁目19番45号赤坂メルクビル1F
設立:2016年12月8日
資本金:899百万円(資本準備金を含む)
コーポレートサイト:https://aising.jp/
※1:産業用ロボット(FA:Factory Automation)や、スマートフォン、コンピュータが内蔵された自動車など、利用者の近くにある“機器”を指す。
※2:「AiiR(AI in Real-time)」は、エイシングが独自開発する、導入機器側でリアルタイムな自律学習・予測が可能なAIアルゴリズムのシリーズ。代表的なアルゴリズムである「ディープ・バイナリー・ツリー(DBT)」は、高精度、軽量かつ自動追加学習(オンライン学習)が可能。
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